沼津土木事務所との技術懇談会
災害対応などで意見交換
三建(小野徹会長)三島・田方地区役員と土木・災害対策委員会(土屋龍太郎委員長)は10月11日、三建大会議室で県沼津土木事務所と技術懇談会を開催した。
当日は協会から小野会長、土屋副会長、青木喜代司相談役理事をはじめ、三島田方地区から役員13名、沼津土木事務所から森田尚孝所長、勝又泰宏次長、澤野和隆技監兼下水道課長、古屋徹之技監兼修善寺支所長ほか幹部職員10名、静岡県交通基盤部から建設支援局技術管理課主田義也積算班長、同課増田慎一郎効率班長、三島市から土木課仲田賢孝課長、同課荻原浩之主任技師、検査課松下浩一課長補佐、伊豆の国市から建設課杉山清課長、伊豆市から建設課山田博治課長、函南町から建設課田中康夫課長が出席した。
冒頭、小野会長は「昨年4月に改正品確法の運用指針がスタートし、担い手育成では若者が夢をもって将来を託せる産業に再生させることであるが、業界の悲願である発注時期や工期の平準化は、年間を通した生産性に直結するので早期の解決を期待する。適切な設計変更についても必要に応じて実施願いたい。
国土交通省からは、地方建設会社が安定して事業機会を確保できる仕組みが示されているが、東日本保証会社が公表している静岡県の売上高現場荒利益率は東日本で最低となっている。この理由は苛酷な競争が強いられているからであり、適正規模の業者数の中で工事にふさわしい業者を選定願いたい。
次にICT活用工事の推進であるが、将来にわたり安定した工事量の確保が前提で予算確保が課題となる。特に、オリンピック関連や防災等でオリンピック関連道路、伊豆縦貫道アクセス道路、韮山反射炉アクセス道路、東南海大規模地震対策、狩野川の集中豪雨等への対応等、備えあれば憂いなしということで、準備が重要である。魅力ある建設業の発展に向け、県、市町、業界の関係者が一つのテーブルで議論し、意思疎通を図りつつ課題解決に向けて取り組み、推進する懇談会は大いに意義がある」と述べた。
次に、沼津土木事務所 森田尚孝所長が「災害時には緊急出動等多大な協力をいただき感謝いたします。建設産業においては中長期的に担い手の確保として若者や女性の活用が課題となる。また、発注時期や工期の平準化については債務負担工事を増大することが課題。災害への準備として、危険ポイントを表示するなど図面作成と情報を共有する仕組みを構築したい。」と挨拶した。
懇談会では、最初に土屋副会長が、懇談の経緯等を説明。県技術管理課主田積算班長から「改正品確法を踏まえた発注関係事務の改善への取組みについて」講話が行われ、県技術管理課塩田OA効率班長からは「ICT活用工事の推進について」講話が行われた。続く質疑応答では、土屋副会長から別添資料「建設業協会の対応と要望 ICT活用工事」により説明があり、県と意見交換を行った。次に応急災害協定の運用について、土屋副会長から「三島建設業協会メール網活用計画」「災害応急対策区域別担当会社」「救命・救護ルートへの建設業者の張付け」等資料による説明があり、相互に意見交換を行った。特に、南海トラフの巨大地震を視野に関係機関や関係者が一斉に行動できるよう共通の災害協定の策定に向けた取り組みが必要であると提案された。
他に県、市町の出席者全員から意見発表があり、総括して沼津土木の森田尚孝所長は「受発注者の連携のあり方の一方策として、別添「技術支援について」の活用、ミスの防止のための別添「ミスが起こる要因チェックリスト集計表」の活用、来年度度狩野川において全国水防訓練が開催されるので協力をお願いする。今後とも受発注者が連携し、街づくり、地域づくりを行ってまいりたい」との説明があった。おわりに小野会長から「山積する課題は一筋縄ではいかないが1つ1つ解決して行くことが重要である。行政の方々と連携しながら良い関係を構築いたしたいと考えております。」と謝礼を述べ閉会となった。