R1 沼津土木事務所との技術懇談会
入札契約段階と工事施工段階の課題等について意見交換
三島建設業協会(小野徹会長)の三島・田方地区役員と土木・災害対策委員会(土屋龍太郎副会長兼委員長)は9月18日、三建大会議室で県沼津土木事務所と技術懇談会を開催した。
当日は協会から小野会長、佐野茂樹副会長、土屋龍太郎副会長、青木喜代司相談役理事をはじめ三島・田方地区役員12人、沼津土木事務所から原広司所長、望月康史次長、織原政幸技監、大島新一技監兼下水道課長、戸栗一泰技監兼修善寺支所長ほか幹部職員5人、三島市から都市基盤部の青木利憲技監、管財課の杉山慎太郎課長、伊豆の国市から建設課の守野充義課長、財務課の山田孝室長、伊豆市から建設部建設課の大村俊之課長、契約検査室の勝呂信哉室長、函南町から建設課の西川公次課長、管財課の露木元徳課長が出席した。
冒頭、小野会長は参加していただいた各行政機関の幹部に感謝した後、9月8日~9日未明にかけて、伊豆半島の東海岸沖・相模湾を北上し強風で各地に爪痕を残した台風15号に触れ、伊豆でも、早くからあちこちで「避難準備情報」が出て、建設業協会としても、いつ出動要請が出るか緊張しっぱなしだった。
幸い、降水量はそれほどでもなく、河川氾濫等も発生しなかったが「狩野川放水路」が開いたということで、もう少し台風の進路が伊豆に近ければ、危機一髪だったのかもしれないと語った。
また平常時から、常に緊張をもって課題に対処していく。そのために今日の技術懇談会があるものと承知しているとし、本日のテーマは、①「入札契約段階の課題、経営力向上」②「工事施工段階の課題、技術力向上」③「モチベーションの維持、立場の違いを乗り越えるには相互理解が不可欠」④その他となっている。
今年の6月に「品確法」を始めとする「新・担い手3法」が成立し、「発注関係事務の運用に関する指針(運用指針)」を、さらに充実したものにするため、「改革骨子案」が示され、各地方自治体は勿論のこと、全建・全中建等の建設業協会からも9月13日までに意見を集約せよということで、提出したところである。
現行の「運用指針」は、初めて「発注者責任」が明記された画期的なものであったが、今回の骨子案には、①災害時の緊急対応強化②働き方改革③ICТの推進等による生産性向上への取組④調査・設計の品質確保等に関する規定が盛り込まれた。
特に、①全国的に災害が頻発する中、災害から迅速かつ円滑な復旧・復興のため、災害時の緊急対応の充実強化が追加されたこと②公共工事の品質確保のため、公共工事に加え、公共工事に関する測量、調査、及び設計が対象として追加されたことが大きな特徴となっている。さらに「指針の位置づけ」に続き、「発注関係事務の適切な実施のために取り組むべき事項」では、以前には想像もできなかった「発注者が取り組むべき事項」がしっかりと明記されている。「改正骨子案」には、この後、それぞれの詳細が書き連ねられているが、「よくぞ、ここまで書いてくれた」と感心するばかりである。
つまり、本日のほとんどの課題に対して、「改正骨子案」では、実に積極的な考え方、実施方法が書かれているわけで、本日は土木事務所側、三建側から、そうした内容を踏まえて、様々な意見があるものと期待している。
沼津土木事務所の幹部の皆様と協会役員がこうして一つのテーブルを囲み、意見交換・意思疎通を深めることは、互いに共通認識をもってこれからの様々な課題に取り組めることでありがたいことだと述べた。
次に沼津土木事務所の原所長が、「地域の住民、県民の安全・安心を担っているのは建設業の皆様。職業として若い人に選んでもらえる業界をつくるためにお互い協力していきたい。担い手確保に向け有意義な意見交換ができるようお願いしたい」とあいさつした。
懇談会では最初に土屋副会長が用意した資料をもとに昨年度までの技術懇談会の経緯等を説明し、その後活発な意見交換が行われた。沼津土木事務所の原所長は総括して「相互のコミュニケーションを高めるため、話しやすい環境をつくることが大切だと感じた。今後もビジネスパートナーとして仲間として頑張っていきたい」と話した。
最後に小野会長から「本日の懇談会で発注者が人手不足だということが分かった。業界としては監督員の数を増やしてもらうことを訴えていく。市町も平準化に意欲を持っていることがよく伝わってきた。平準化だけでなく適正な工期設定もお願いしたい」と講評を述べ、閉会した。