R2 沼津土木事務所 所長講演
三島建設業協会(小野徹会長)は12月2日、原広司静岡県沼津土木事務所長の講演会を三島市玉川の協会大会議室で開催した。
今年3月に定年を迎える原所長は冒頭のあいさつで、「入庁当初は熱海土木事務所伊東支所に配属され、会員の皆さまと一緒に雪氷対策を行なったことなど当時の出来事が昨日のことのように思い出される」と振り返りながら、「土木技術者としての基礎を叩き込んでもらい、私を育ててくれたのは三建の皆さまだと思っている。また、災害時には皆さまが頼りで、少しでも恩返しができればと思いながら仕事をしてきた」と感謝した。
続いて、最近のトピックスとして、自家警備の試行と入札不調について講話した。昨年10月22日に施行した自家警備の試行については、要領や注意事項を説明し、「現時点での対象路線は多くないが、せっかく自家警備の門戸が開いたので、使わない手はないと思う。実績を積み重ねていただき対象路線を拡大させていけたら」と制度の活用を促した。
協会の存在が防災力高める
入札不調については、沼津土木事務所が本年度10月末までに発注した327件の工事のうち、94件が不調となり、不調発生率が28.7%と昨年度(約25%)より高いことに触れ、「3~4件に1件の割合で工事が不調になっており、これは尋常な状態ではない。発注ロットを工夫するなど改善に努めたい」と話した。
次に沼津土木事務所の主要事業のうち、三島協会管内の国道136号道路災害復旧事業(伊豆市土肥)、東京五輪会場アクセス道路整備事業(江間交差点立体化)、御殿川災害等予防保全緊急対策事業(三島市南二日町)、境川総合流域防災事業(三島市平田~玉川)の合計四つの事業を紹介。PRビデオを交えながら、各事業の概要や効果、進捗状況、今後の計画などについて詳しく解説した。
行政と協会で強靭な県土を
事業紹介の後に、三建に対するお願いとして、静岡県が民間企業などと進める協働事業のアダプトロードプログラムやリバーフレンドシップへの参加を求め、「活動の輪が広がればありがたい。道路や河川の美化のため、まだの方はぜひ登録を」と呼び掛けた。
最後に原所長は、「皆様のおかげでここまでやってこられた」と改めて感謝の言葉を述べた後、「協会がしっかりしているからこそ地域の防災力が高い。これからも組織を発展させながら、地域の生活を支え、県民の生命・財産を守る団体であり続けて欲しい」とエールを送り、「われわれ行政と建設業界は車の両輪。今後も互いに協力し合い、県民の安全・安心のため、強靭な県土をつくっていきたい」と協会に期待を寄せた。