R3 第2回役員会
災害対応力の強化策など協議
三島建設業協会(小野徹会長)は10月4日、協会大会議室で令和3年度第2回役員会を開催し、災害対応力の強化に向けた取り組み内容などについて協議した。
冒頭あいさつに立った小野会長は、7月に熱海市で発生した土砂災害の話題に触れ、「熱海地区を中心とする会員の皆さんの献身的な活動に敬意を表したい」とした上で、テレビや新聞の災害報道の偏向ぶりに疑問を呈した。
東京理科大の田中皓介助教が、最近の大災害に関する新聞記事を分析した論文「報道されない災害時の応急対策活動」(全中建だより9・10月号掲載)によれば、自衛隊、警察、消防はかなり取り上げているのに、建設業についてはほとんど無視されている。建設企業と県は連携して効果的な情報発信をしていく必要があり、10月19日開催の県協会と県交通基盤部との意見交換会では、メディアへの露出度を高めるための取組を、協同して検討し、実行することを提案すると述べた。
8月23日に、県建設業協会からの義援金を、石井県協会長と私と佐野副会長とで熱海市役所へ行き斉藤市長に手渡した。「建設業界には様々なノウハウがあるので、廃棄物処理で力になりたい」と市長に伝え、市長からは「今回の災害に対し、建設業界の皆様には、大変お世話になっており感謝しています」とのお礼の言葉とともに、「仮置き場」を市内に確保する目途がついてほっとしているとの話があった。
二宮会長の時分から、「処分場の少ない熱海・伊東地域においては、災害にあってから慌てて処分場を探すのはなく、工事遂行に当たっては、常にどこかに、例えば港湾の一部に、処分場を確保しながら進めていったらどうか」と土木事務所長などに言い続けてきが、危惧していたことが現実になったということである。
同日、熱海土木事務所長に面会し、災害出動している業者の実情をよく把握して、出面には待機時間等を十分に考慮していただくとともに、迅速な支払いをお願いしたところ、十分承知しているとのことであった。
9月25日には、逢初橋のすぐ下で、あと1名となった行方不明者の捜索と土砂・ガレキの撤去に当たっていた建設作業員が、重機ごと転落して亡くなるという痛ましい事故が発生。「救援活動中に事故が起きたら、どうする?」という、建設業界として一番危惧していた問題が発生してしまった。これらの問題・課題については、後ほど、佐野副会長、土屋副会長からご説明・提案をいただくことにしている。
いずれにしろ、今回の大災害は、地球温暖化に伴う「集中豪雨の頻発化」が予想される中、犠牲を出さないために「国土の強靭化」や「いかに予防工事が大事か」を世間に問うことになった。多大な犠牲を払ったが、社会に大きな警鐘を鳴らすこととなったと思う。
また、盛土工事の不正・不良が原因で、これだけの大災害をひきおこしたことから、全国の産廃の実情の調査とともに、罰則規定が盛り込まれた県の条例が審議されるなど、建設業界に大きな課題を突き付けられているので、優良業者の集まりである建設業協会として、襟を正していきたいと思う。
議事では、災害対応力の強化について土屋龍太郎副会長から提案説明があり、①三建主導で三建管内5市1町の建設業団体の災害対応力向上支援に取り組んでいくこと②三建災害メール網への登録を全会員に拡大することの2点が、全会一致で了承された。
報告事項では、佐野茂樹副会長から、熱海市伊豆山土石流災害の現状報告が行われた。また、事務局からは、策定中のSDGs宣言案の中間報告、令和3年度第1回業務執行状況、第49回衆議院議員総選挙候補者の推薦、静岡県優良建設工事表彰受賞者、三建事務所の修繕計画などが報告された。