沼津・熱海土木事務所 所長講演 -H28定時総会-
-永く愛される地域に-
総会に続いて、沼津土木事務所の森田尚孝所長と熱海土木事務所の植松靜夫所長が特別講演を行った。
森田所長は、2016年度の事業費について、「沼津土木事務所は用地費や委託料など含め約200億円を予定している」と説明。各市町での主要事業を紹介した後、「県は上半期に80%の発注を目指すという方針だ。用地の進み具合など課題もあるが、がんばって進めていきたい」オリンピック関連では、「19年度までに35億5000万円の全体事業費を予定。例えば修善寺駅前で道路線形を見直す形での交差点改良を計画しており、用地補償を含めた事業費は約10億円を見込んでいる。16年度は詳細設計を進め、用地買収にもできれば着手したい。17年度には工事を発注できるのではないかと思う。国道136号バイパスについて、伊豆の国市南江間地区の信号撤去や江間ICのフルインター化を進める。伊東大仁線では、伊豆の国市内でゆずり合い車線整備を2億円の事業費で進める。
16年度は道路事業の予算が厳しいが耐震化事業についてはかなり予算が付いてくるとみられる。トンネル補修についてもひび割れ対策など工事が出てくると思う。
工事発注方式については、工事成績優良者や休日確保型、若手技術者育成型、女性登用型などを取り入れて行っていく。
事故については、昨年度沼津土木事務所管内では8件発生しており、そのうち6件が交通事故だった。注意深くしていれば避けられたと考えられる事故もあり、事故原因の検証結果を見ていただき同じような事故が起こらないようにしていければと思う。また、メールなどでお配りしているかと思うが『ミスの発生とその対策』という冊子を手作りし、ミスの再発防止に努めている。三島建設業協会にデータを渡してあるので、ぜひ活用していただきたい」
最後に「今後も三島建設業協会の皆さんと一緒に素晴らしい建設物を造って永く愛される地域にしていきたい」と呼び掛けて締めくくった。
-担い手確保に工事のPRを-
植松所長は、管内の熱海市と伊東市の特色を紹介し「観光に配慮し魅力的なインフラ整備をしていきたい」と方針を示した。「5月9日時点の16年度当初予算は約25億3500万円を計上している。今後、港湾関係の箇所付けを受け前年度並みの30億円弱になると思われる。
事業については、熱海市では各種継続事業に加えて国道135号曽我浦橋、伊豆山1号桟道橋、潮路橋の耐震補強や修繕などを新規で進める。熱海港船客待合所ではトイレ改修を新規で行う。伊東市では、国道135号大洞2号橋の耐震補強や川奈の伊東港の駐車場改修を新規に計画している。主要事業としては、国道135号伊東市川奈・吉田地区での4車線化事業や県道の狭溢部分の整備を行う。また、東京五輪アクセス道路整備として県道伊東大仁線の伊東市宇佐美地区の道路改良を16年度から重点的に進める。河川工事では、伊東大川の河口部分での親水護岸を進める。津波対策としては管内16地区で津波対策協議会を立ち上げており、基本方針取りまとめに向けて協議を進め、静岡モデル推進検討会へ答申し必要に応じた対策実施に進んでいく。
入札実施について、熱海土木事務所でも、上半期80%発注を目標として努めたい。交通量の多い地域でもあるため、事故には十分気を付けて施工してほしい。また担い手確保について、公共工事について住民の皆さんに理解してもらうため、現場での”どんな工事をやっているか”のPRをするなどで次の担い手の確保につながる部分があると思う。建設業者の皆さんも何か気が付いたことがあればぜひ申し出ていただきたい」と締めくくった。