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R1 沼津・熱海土木事務所 所長講演

地域の守り手として期待

 総会に続き、沼津土木事務所の原広司所長と熱海土木事務所の岩﨑泰克所長が特別講演を行い、2019年度予算や事業などについて語った。
 原所長は、まず静岡県の当初予算について話し、一般会計予算は1兆2066億円で、そのうち交通基盤費は1248億円と10.3%を占めている。昭和の時代から交通基盤費の割合が下がってきており、交通基盤部の当初予算のうち、道路費と河川砂防費は936億1259万円となった。交通基盤部予算の推移では1996年度の2330億円がピークで、その後は毎年減っていると語った。
 道路関係の予算は約468億円で、改築系事業が4割弱、維持補修系事業も4割弱だと述べ、以前は改築系事業費が圧倒的に多かったと話した。道路予算のピークは1995年度の1450億円で、2019年度はその約32%の約468億円となっている。近年は維持管理費や更新費が増大し、2008年度の2倍以上になっていることを明らかにした。 
 河川、海岸、砂防予算は全体で約534億円。このうち河川改良費が約4割、海岸費が約1割、砂防・地すべり対策費が約2割。国土強靭化で河川改良費は手厚くなっていくとみられると予想した。
 2019年度の沼津土木の事業費については、5月1日時点で257億円であり、道路事業では約122億円、河川・海岸事業では約50億円となっているとした。
 次に、最近のトピックスとして、スマートガーデンカントリー”ふじのくに”、国土強靭化のための3カ年緊急対策、長寿命化対策などの取り組みについて話し、3次元点群データを活用したインフラ管理や緊急に実施すべきソフト・ハード対策を3年間で集中して行うことなどを紹介した。
 最後に「皆さんは地域になくてはならない存在」と訴え、災害に備え地域の守り手としての建設業に期待した。

地域経済の発展に不可欠

 今年4月に所長に就任し、熱海土木事務所での勤務が13年前に続き2回目となった岩﨑所長は冒頭、「国土強靭化緊急対策のこの3カ年、皆さんと一緒に精一杯頑張りたい」と抱負を述べた。
 その後、2019年度事業概要について語り、事務所全体の事業費は繰り越しを含めて約53億円とした上で、次のように主要事業を説明した。
 道路事業では、国道135号(伊東市川奈・吉田地区)の4車線化事業に予算が付き、渋滞の緩和・解消に向けて、用地交渉や測量、設計を積極的に進めていく。
 オリンピック関連では、伊東大仁線の道路拡幅(ゆずりあい車線整備)を2016年度から進めており、2019年度は引き続き、用地買収と工事を行い、オリンピック開催までの完成を目指す。
 河川事業では、管内は川が少ないが、津波対策として各港に流れ込む河川の水門整備を推進していく。
 砂防事業では、土砂災害警戒区域を指定しているが、今後これをいかにハード事業に結びつけていくかが課題となる。
 港湾事業では、熱海市渚地区の海岸環境整備を着実に行い、マリーナ内の静穏度向上のため、伊東港の白石防波堤の延伸を進める。
 住宅営繕事業では、県営住宅七尾団地の再生が終わり、今年度は伊東団地の居住改善を行う。
 最後に『静岡県建設産業ビジョン2019』の新4Kの実現について触れた後、「健全な建設業の発展なくして地域経済の発展はない。皆さんとともに地域を盛り上げていきたい」と呼び掛け、原所長同様に、建設業に期待を寄せた。

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